おにぎり
読み方:おにぎり
同義語:おむすび・握り飯
関連語:米・海苔
おにぎりは日本でとてもポピュラーな食べ物です。「おむすび」や「握り飯」とも呼ばれ、お弁当などによく用いられます。炊き立ての熱いご飯の中に好みの具を入れ、中はふんわり、外はしっかりと握って作ります。形や大きさは様々です。おにぎりは冷たくなってからもおいしく食べられますが、具には腐らないように塩気の多いものを使います。
日本固有の食べ物
日本を含むアジア圏はほとんどの地域が米の食文化を持っています。しかしアジア一帯でおにぎりが食べられているのかと言えばそうではないようです。お米はおにぎりに適している粘りのあるジャポニカ米とぱらぱらのインディカ米(タイ米)の2種類に分類され、ジャポニカ米を食べているのは日本だけです。さらに他のアジアの国々では冷やご飯を食べる習慣はありません。したがってお米を両手でにぎり携帯して食べるおにぎりは、日本固有の食べ物であると言う事ができます。
「おにぎり」「おむすび」「握り飯」と様々な呼び方がありますが、手で握ったものを「おにぎり」「握り飯」、笹の葉などでくるんで紐で結んだものを「おむすび」と呼ぶようです。また、地方によって呼び名が違い、東日本では「おむすび」、西日本では「おにぎり」と呼ぶことが多いようです。
平安時代から配られていた
おにぎりの起源は平安時代の屯食〔とんじき〕であると言われています。屯食とは玄米を卵形に握り固めたもので、平安時代に宮中や貴族の家で何らかの催し物があった時に屋敷で働く人々のために「ご苦労様」という意味をこめて配られていました。それ以降、おにぎりはお皿のいらない簡単で便利な食べ物として戦国時代の携帯食や野良仕事の弁当として重宝されました。明治18年には、日本で最初の駅弁として梅干入りのおにぎり二つとたくあんを添えて竹の皮で包んだ弁当が栃木県宇都宮駅で販売されました。現在でもお弁当や行楽の時の携帯食としてはもちろんの事、災害時の「炊き出し」などあらゆる場面で日本人の食生活に深くかかわっている食べ物です。
現在では海苔を巻いたおにぎりが主流ですが、おにぎりに海苔を巻くようになったのは江戸時代中期頃、世の中に四角い板海苔が登場した頃からの事です。
また、昭和62年には石川県鹿西町〔ろくせいまち〕杉谷チャノバタケ遺跡の竪穴式住居跡から、約2000年前の弥生時代のものと推測される日本一古いおにぎりの化石が発掘されました。
炊き立てのご飯で握る
おいしいおにぎりを作るためには必ず炊きたてのごはんで握る必要があります。炊きたてのごはんにはお米のうま味成分である「保水膜〔ほすいまく〕」がたくさん含まれています。その保水膜が沢山あるうちにおにぎりにすることで、おいしさが持続します。茶碗などに一度とりわけて揺すり、おおまかな形をつくってから握ると握りやすくなります。
また握る時の力の入れ具合もおいしさに関係してきます。力強く握りすぎてしまうとご飯の密度が高くなり粒が潰れてしまいます。少ない回数で均等に柔らかく握ることが大切になってきます。また手に水分をつけすぎてしまうとおにぎりの形が崩れやすくなってしまうので注意が必要です。