うどん
読み方:うどん
同義語:こんとん
うどんとは、小麦粉に少量の塩水を加え、こねたものを麺状にした日本有数の麺食品です。茹でてつゆにひたして食べたり(つけ麺)、カツオだしと醤油で味付けしたかけ汁(かけ麺)で食べます。香川県の讃岐うどんが全国的に有名です。
風邪の時は消化の良いうどん
あっさりとしただし汁にコシのある麺が特徴のうどんは、誰でも手軽に調理できる食事として日本中で食されています。その中でも讃岐(香川県)うどんはコシの強さと味わい深さが有名です。讃岐地方の小麦粉は、気候が温暖で雨が少ない瀬戸内地方独特の自然環境のなかで育まれてきた日本でも最良質の小麦粉です。そして讃岐は地下水脈が地表近くに流れているのでミネラル分の多い良質の水を得る事ができます。さらに讃岐を初めとする瀬戸内地方では、昔から雨の少ないという気候を利用して塩作りが盛んに行われてきました。この小麦粉・水・塩の三要素が讃岐のうどんをおいしくさせ有名にした理由です。それゆえに、本場の讃岐うどんを求めて全国から香川県へ出向く人々もいる程です。うどんは非常に消化の良い食品なので、体調を崩した時や食欲のない時などに温かいうどんを食べると体調がよくなると昔から言われています。
讃岐発祥のうどん
うどんのルーツは奈良時代に中国から伝来した唐菓子〔からくだもの〕の一種の「こんとん」であると言われています。「こんとん」とは小麦粉を加工して作られたあん入りの団子のようなものです。やがてこの「こんとん」を温かい汁に入れて食べるようになり「温飩〔おんとん〕」と呼ばれるようになります。それが転じて「うんとん」→「うどん」になったと言われています。現在でも讃岐地方のお雑煮は甘い汁にあん入りの団子のような物を入れて食べる風習が残っています。
この説とは別に、讃岐地方には弘法大使(空海)にまつわる言い伝えがあります。讃岐地方は空海の故郷で、遣唐使と共に中国へ渡った空海が、うどんの技術を日本に持ち帰り、貧しかった故郷の人々を救ったと言われています。
どちらの説が正しいのかはっきりとした答えはわかりませんが、どちらも讃岐地方にまつわる説なので、日本でのうどん発祥は讃岐地方であったと思われます。
室町時代に現在のうどんの形になり、江戸時代にかけてうどん食文化は庶民の生活の中に入っていきました。 現在のようにカツオだしと醤油で味付けした汁で食べるようになったのは、全国に醤油が出回りはじめた元禄(1688〜1704)以後のことで、それ以前は味噌で味付けした味噌煮込みうどんが中心だったと考えられています。色々な具をのせた天ぷら・玉子とじ・鴨南蛮うどんなどは江戸時代中期から後期にかけて開発されました。江戸時代の頃から変わる事なく現在も、うどんは庶民の食べ物として日本中で食され続けています。
薄味の関西と濃味の関東
うどんのかけ汁は各地域によって好まれる味は大きく異なります。
特に関西と関東で味付けは大きく異なります。
関西
うどんのかけ汁をお吸い物のようにだしの味まで楽しむという事から薄口醤油が使われています。具の材料に瀬戸内海で取れた白身の魚や新鮮な野菜が年間を通して使えたことから、素材の風味を消さないで味付けするためであると考えられています。
関東
濃口醤油で味付けするので黒っぽい濃い色をしています。
このように日常生活の違いによってうどんのかけ汁にも違いがみられます。