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読み方:す

お酢は昔から体に良いと言われ、漢方や薬として飲用されていました。
酢とは酢酸〔さくさん〕を含むすっぱい液体調味料の事で、清酒を原料とした酒酢〔さかず〕、米と麹(こうじ)とで造る米酢〔よねず〕などの醸造酢の事を指します。調味料として用いるのが一般的ですが、健康の為に飲用している人もいます。

特徴その土地の特色を生かしたお酢

お酢は魚介類、肉、野菜、果物など、さまざまな食物とよく合い、料理の味を引き立てます。日本食では寿司や酢の物などに用いられています。日本で作られている酢は米などの穀物を原料としているものがほとんどですが、世界では様々な原料から酢が作られています。ウイスキーの製造が盛んなイギリスでは大麦の麦芽を原料とする「モルト酢」、りんごの収穫量が多いアメリカなどでは「りんご酢」、ワインの産地であるフランスやイタリアなどでは「ワインビネガー」、など世界各地にその土地の特色を生かした色々なお酢があります。昔から、酢は体に良いといわれてきました。酢の効能としては食中毒の防止や食欲の増進がよく知られています。近年では、酢が血液の流れを良くし、成人病の予防に有効であることも明らかになっています。近年の健康ブームで、お酢の健康パワーが注目され市場にはお酢を使った健康食品(黒酢やもろみ酢など)をよく目にするようになりました。

起源・歴史人類最古の調味料

お酢は人類が作った最古の調味料であると言われています。紀元前5000年頃にはもうすでに存在していたようです。
日本で酢が造られるようになったのは、4〜5世紀頃の事です。中国から酒を造る技術とともに米酢の醸造技術が伝えられ、和泉の国(現在の大阪府南部)で造られるようになったのがはじまりであると言われています。奈良時代には上流階級である朝廷や貴族の人々の間で漢方の一種・薬・高級調味料として用いられていました。
酢が調味料として一般に広まったのは江戸時代になってからです。お酢の製法が全国各地に広まり、それとともにお酢をつかった料理がたくさん生まれました。この頃に生まれたお酢を使った代表的な料理が「お寿司」です。幕末になると、「にぎり寿司」や「いなり寿司」が誕生し、庶民の間で大変な人気を集めました。その後、大正時代になると、安く大量に生産できる「合成酢」が登場します。これは石油や石灰石を原料とした氷酢酸を薄め、数種類の食品添加物を加えたものです。戦中・戦後の食糧難の時代には、米を原料として酢を造ることが禁止されていたため、一時は市場の大部分をこの合成酢が占めていました。しかし、昭和45年から氷酢酸を少しでも使ったのもには「合成酢」の表示が義務づけられるようになり、消費者は合成酢を使用する事を嫌いました。そして醸造酢の生産が合成酢を上回るようになり、現在市場に流通している酢のほとんどが醸造酢です。

利用法昔の人々の知恵

昔から伝えられているお酢の調理以外の利用法を紹介します。

・しゃっくりを止める…しゃっくりが止まらないときは盃〔さかずき〕一杯のお酢を飲むと止まると言われています

・気絶したとき…鼻に酢を浸したハンカチを当てると、たいてい気づくと言われています。

・悪酔いを防ぐ…お酒と共に酢の物を食べると悪酔いしないと言われています。

・色落ちを防ぐ…色物を洗濯する際に酢を少量入れて洗うと色落ちを防ぐことができます。

・しつこい汚れを落とす…畳や革製品など汚れが落ちにくいときに、酢を染込ませたもので拭き取るときれいに汚れが落ちます。

■参考文献・ウェブサイト


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