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梅干

読み方:うめぼし

梅干の画像

梅干とは梅の果実を塩漬けにした後に乾燥させ、シソの葉と一緒に梅酢に漬け込んだものです。 色は赤色をしており、柔らかい大粒のものからカリカリとした小粒ものまで種類は様々です。 味は酸っぱく、ご飯のお供として日本の食卓に多く登場します。特に紀州(和歌山県)の梅干は全国的に有名です。

特徴食中毒を防ぐ

独特の酸っぱさが特徴の梅干は、おにぎりの具としてよくお弁当に入れられます。 梅干には殺菌作用がある為、長時間持ち歩くお弁当に入れることによって食中毒を防ぐ効果があるからです。 そして梅干には天然のクエン酸が多量に含まれているため、毎日食べる事によって疲労回復や老化防止など健康面でも非常に効果的です。 また、お酒を飲みすぎたときには梅干入りの番茶をたっぷり飲むとよく効くと言われています。

起源・歴史万病の薬として食されてきた

梅干が日本で作られるようになったのは平安時代と言われています。 その当時の天皇が梅干と昆布のお茶で疫病を治した、という言い伝えがあるように梅干はもともと上流階級の人々の薬として食されていたようです。 鎌倉時代に入ると武家の人々の間まで広がり、病を治す薬として食されましたが、まだまだ高級な食品であったため、一般庶民の口に入る事はありませんでした。 戦国時代になると、梅干は戦場で解毒剤や栄養剤として重宝されました。 戦に出る武士は必ず腰に梅干をぶらさげ携帯していたようです。 一般庶民が梅干を口にできるようになったのは梅の栽培が盛んに行われるようになった江戸時代になってからの事です。 一般庶民でも簡単に梅を手に入れることができるようになり、各家庭で漬けられるようになりました。 それから梅干は、日本の伝統的な食品として現在まで受け継がれています。

製法伝統的な梅干の漬け方

梅干の漬け方を紹介します。

1.あく抜きをする
梅の実をきれいに洗い、米のとぎ汁か水をたっぷり入れたボールに一晩浸して、苦味や渋みの元である「あく」を抜きます。そして清潔な乾いたふきんで、水気を十分にふき取ります。

2.塩漬け
梅の実に塩をまんべんなくまぶしておきます。その後陶製の瓶または漬物用のポリ容器の底に塩を敷きます。その上に梅を並べ、さらにその上にまた塩を少し振り、2段3段と交互に重ねて、最上段は多めの塩で覆います。この時、梅は隙間なく詰めていくことがポイントです。

3.漬け込む
梅の上に清潔で乾いた落し蓋を落とし、その上から漬けた梅の2〜3倍の重さの重石〔おもし〕をのせます。この時、落し蓋や重石が斜めにならないように注意します。そして、ごみや虫が入らないように、その上から透明なビニールや紙で覆い、風通しが良く日のあたらない冷暗所に約1週間ほど置きます。そうすると梅から酸味の強い梅酢が染み出てきます。梅酢は梅が浸るくらいの量を残し、余分なものを捨てます。赤ジソを1枚ずつ梅の上に広げ、約1ヶ月漬け込みます。この時、重石は半分の重さに減らします。

4.干す
梅を干す際には晴天の続きそうな日を選びます。はじめの3日間、太陽の日差しの下、梅をざるに広げて干し、夜は梅酢に戻します。次の3日間は、夜、梅を広げて夜露に当て、昼間は梅酢に漬けておきます。梅酢にくぐらせた梅を清潔な保存瓶にきっちりと詰め、蓋をして完成です。

漬け始める時期は梅干用の梅が市場に出回る、6月の中旬頃がよいとされています。
そうするとちょうど太陽の日ざしがもっとも強く、天候が安定している土用(7月20日頃)に合わせて干す事ができます。

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