寿司
読み方:すし
同義語:鮨・鮓
寿司には、酢飯の上に具材をのせて握ったにぎり寿司の他に、ちらし寿司や押し寿司、巻き寿司など色々な種類があります。昔は祝いの席などのおめでたい時に食べる高級な食べ物でしたが、最近では値段が手頃な回転寿司店の出現により、日常的に寿司を食べる事ができるようになりました。近年、寿司は日本の代表的な料理として全世界に知られています。
日本食の代表格
すしの語源は元々「酢」をまぜた飯「酢飯〔すめし〕」からきています。この酢飯の「め」がいつの間にか無くなり「すし」と呼ばれるようになりました。すしを表すのに、「鮨」・「鮓」・「寿司」というように様々な漢字が用いられますが、これらはどれも当て字だったようです。「鮨」は魚が旨いという意味で作られた漢字で、「鮓」は「乍」という字がモノを薄くはぐの意味をもち、魚を薄くはぐという意味で創られた漢字です。現在一般的に使用されている「寿司」という漢字は、「寿〔ことぶき〕を司〔つかさど〕る」という意味で、縁起がいいもの・祝いの席で食べるものという意味をもっています。
寿司は日本の代表的な料理として、またヘルシーな健康食として全世界に知られています。1980年代アメリカ全土にスシ・バーが登場したのをきっかけに全世界へ広まりました。現在では、生魚を食べるのに抵抗がある人向けにアボガドやカニなどを巻いたカリフォルニアロールなど欧米人の味覚に合う寿司も作られるようになり、世界中の人々に食されています。
江戸から広まったにぎり寿司
寿司は紀元前4世紀頃の東南アジアで誕生しました。
日本へ寿司が伝わったのは平安時代の頃です。この頃のすしは「なれずし」と呼ばれ、甘酢で味付けした米飯に開いた生魚を載せて一晩寝かせたもので、今の寿司とは随分イメージの違うものでした。まだ冷凍技術のなかった時代なので、人々は保存食として寿司を食べていたようです。現在でも近江地方に伝わる鮒〔ふな〕ずし、ハタハタの漬け込みずし、サバのイズシなど、当時に近い寿司が受け継がれています。にぎり寿司として食べるようになったのは、江戸時代末期(19世紀初め頃)の事です。この当時江戸中で屋台が大流行し、その屋台から「にぎり寿司」が登場しました。このにぎり寿司は、東京湾すなわち江戸の前(江戸前)でとれる魚介・海苔を使うことから「江戸前寿司」と呼ばれるようになりました。この当時のにぎり寿司はテニスボール位の大きさであったと言われています。また「なれずし」とは違い、すぐに食べられる事から「はやずし」とも呼ばれ、江戸中で流行しました。その後、1923年の関東大震災に被災した東京の寿司職人達が故郷に帰り、日本全国ににぎり寿司が広まっていきました。
寿司用語あれこれ
お寿司には様々な専門用語が用いられます。
シャリ(すし飯)
白く細かいすし飯が仏舎利〔ぶっしゃり〕(お釈迦様の遺骨)に似ているためそう呼ばれるようになりました。
ガリ(甘酢漬けの生姜)
噛むときや削るときにガリガリというので「ガリ」と呼ばれるようになりました。生姜は細菌の繁殖を抑える効果があります。
アガリ(お茶)
口に残る味をさっと洗い流すため、最後(アガリ)に出すお茶のことを指して「アガリ」と呼ばれるようになりました。
ムラサキ(醤油)
醤油の色合いから「ムラサキ」と呼ばれるようになりました。
ナミダ(わさび)
わさびは効きすぎると辛く涙が出るので「ナミダ」と呼ばれるようになりました。