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箪笥

読み方:たんす

箪笥の画像

箪笥は収納家具として、家の中で重要な役割を占めています。 しかし近年ワンルームマンションなどではスペースの都合や作り付けのクローゼットなどの設置により箪笥を使わない若者も増えています。

特徴箪笥に込める人々の

箪笥とは引出しのついた箱形の収納家具のことです。中には主に、洋服や着物などの衣類を収納します。
お金を銀行に預けずに家の中に置いておくことをタンス預金ということからも、昔から箪笥は大切なものをしまう家具として扱われています。
ところで箪笥は一棹〔さお〕、二棹と数えます。
江戸時代、車長持〔くるまながもち〕(火事のときに持ち出せるよう底に車輪がついた蓋付きの箱)が主流の収納家具でした。しかし江戸の大火(1657)の時に皆が一斉にこれを持ち出したため街は混乱し大惨事が起きました。そのため幕府は車長持の使用を禁止し、長持は棹を通して担ぐものに変更されました。その後普及し始めた箪笥にも棹を通す棹通し金具が付いていたため、こう数えるようになりました。
箪笥は、婚礼家具として洋服箪笥・和箪笥・整理箪笥を揃えたり、子供が生まれるとベビー箪笥を贈ったりと新生活の始まりの時に購入されることが多いようです。昔の農村地方では女の子が生まれると庭に桐の木を植えました。桐は約20年で大木に成長するので、その子がお嫁に行く頃に切って箪笥にされ、嫁入り道具として持たせたそうです。

起源・歴史豊かさの象徴

箪笥の発明時期は明確ではありませんが、江戸時代の初期、明暦(1655-1658)から延宝(1673-1681)あたりの時代に大坂(現在の大阪)・心斎橋に箪笥を売る店があったとされています。しかし、それほど普及していませんでした。
箪笥が普及しなかった大きな理由のひとつは、庶民が箪笥に入れるほどの衣類を持っていなかったということがあげられます。 何年も一枚の着物だけで過ごした庶民たちには葛篭〔つづら〕や行李〔こうり〕、長持〔ながもち〕といった上部に蓋がついた箱だけで十分だったのです。
箪笥が普及するのは正徳(1711-1716)以降でした。商工業が発展し、庶民の生活が向上すると徐々に持ち物が増え、特に衣類が著しく増加しました。そこで、増えた衣類を家族それぞれに分類できる引出しがついている、箪笥が必要とされはじめました。 その後、薬を入れるための薬箪笥など、衣類に限らず様々なものを入れる箪笥が登場しました。

形式桐と衣類の良い関係

箪笥には衣装箪笥・帳場〔ちょうば〕箪笥・茶箪笥・薬箪笥・階段箪笥・刀箪笥など多くの種類があります。
箪笥の材料は湿気を吸いにくく、気密性が高く、軽くてやわらかい桐が最も適しています。 桐を使うことで中の衣類を傷つけず虫もつきにくくなります。 桐の箪笥は収縮率が低いため、引き出しなどはじめから隙間なくぴったりと作られます。ですので、ひとつの引出しを閉めたとき、他の引出しが開いてくる箪笥はきちんと作られた、よい箪笥だといわれています。

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