葦簀
読み方:よしず
関連語:すだれ
葦簀は、簾と同様、日光を遮りながら風を通す、非常に便利な道具です。室内からブラインドをするよりも効果は高く、現在でもよく使われています。
その用途から、夏の風物詩として認識されていますが、北海道では寒さを防ぐためにも使用されていました。
いろんなところで大活躍
葦簀は、主に夏に用いられ、太陽光や、外部からの視線を遮りながら風を通す役割があります。住宅では、玄関先や、ベランダなどに用いられています。その他にも身近なところでは、海の家や、温泉の露天風呂の仕切り、また、屋台のおでん屋、ラーメン屋でもよく見られます。
現代の住宅では、遮光を主に室内のブラインド等を用いますが、これは熱までは遮ることはできません。しかし、葦簀を室外に立てかけることで、葦簀と窓や壁との間に空気層ができ、室内に伝わる熱をカットしてくれるのです。
多くの産地が今も残る
葦簀の起源は定かではありませんが、江戸時代以前から、葦〔よし〕は屋根に使用されたり、天井材などに使われていました。江戸時代には葦簀がつい立として利用されています。葦の産地は全国的にありますが、大きな産地は淀川水系、琵琶湖周辺で、関東では渡良瀬遊水池、北上川、などが古くから産地として挙げられます。しかし、現在では中国産の安価な葦、葦簀が輸入されているため、日本の葦簀の生産量は徐々に減少しています。
観光行事としても有名
葦簀は、3m程の葦をシュロ糸で結びつなげて作ります。葦簀は、簾と比べて大きいので、ぶら下げずに壁に立て掛けて使います。風通しが良いのは、シュロ糸が固いために結び目が小さくならず、葦の間に隙間が生まれるためです。
栃木県藤岡町の渡良瀬遊水地などの葦の産地では、葦は1月に刈り取られ、毎年3月中旬になると、葦焼きが行われます。これは観光の一つとなっています。残った葦を焼くことは、来年の為の肥料作りになり、また、害虫駆除の効果もあります。