飯事
読み方:ままごと
ままごととは、子供が調理の真似事をして遊ぶことで、日常での生活全般を真似た遊びも含まれます。日本だけでなく世界中で女の子を中心に遊ばれています。遊びを通して脳の発育を促す効果があり、単に玩具としてだけでなく、現在では知育玩具として様々な種類が発売され、評価を得ています。
生活マナーは遊びから学ぶ
ままごとの「まま」は幼児語で飯〔めし〕のこと指し、「ごと」は古い日本語で「コト」、つまり祭りなどの行事を指します。この事から、様々な行事に炊事役として少女が参加したのが、後になって次第に遊びへと変化したと考えられます。子供達はままごとを通して食卓での作法や言葉使いだけでなく、招客、交際、贈答などを遊びから自然に身に付けることができます。
ままごと道具の移り変わり
ままごと遊びの発祥は詳しく分かっていませんが、遊びとして定着したのは江戸時代頃のようです。その頃は貴族の子供が使う金属や塗り物の道具と庶民の使う木や紙の道具のように、貴族と庶民の使うままごと道具には大きく差がありました。幕末になるとブリキ製の高級ままごと道具が現れましたが、すぐに一般には普及せず、明治に入ってから一般化しました。明治初期のままごと道具はブリキや土製の物が中心でしたが、末期になるとガラス製の道具も作られるようになりました。現在では幼児が口に含んでも害のない新素材の開発も進み、ままごとは絶えることなく受け継がれています。
日常生活の再現
室内、屋外ともに遊べます。ままごと道具、または道具に見立てたものを使って日常の生活全般や食卓風景を再現します。男女の区別なく何人でも遊べ、それぞれの役割(父、母、息子など)を決めることで遊びがより現実的になり、楽しさが広がります。
■参考文献・ウェブサイト
- おもちゃ博物館・6 飯事 多田敏捷 京都書院 1992