ビー玉
読み方:びーだま
ビー玉とは対戦者が地面に出し合って置いたビー玉(置きビー玉)に、それぞれのビー玉(親ビー玉)をあててはじき出し、置きビー玉を奪い合う遊びです。女の子が好む「おはじき」とは違い、ぶつける・投げるなどの攻撃的な遊び方が多いことが特徴です。
賭博から遊びへ
元々はその単純な遊び方から、賭博遊戯〔とばくゆうぎ〕の一種として始まりました。その頃は現在のビー玉のようにガラス製ではなく、銭(お金)を使って大人の間で遊ばれていました。
子供達の間に広まると、賭博の対象となる銭は使われなくなり、変わりに現在のようなガラス製のビー玉が使われるようになりました。ガラス製のビー玉は子供が遊ぶためだけでなく、観賞用、収集品として幅広い年齢層にも好まれています。
古代遺跡からも出土
ビー玉の歴史は古く、紀元前の古代エジプトやローマの遺跡からも出土しています。日本では、平安時代の「銭打ち」と呼ばれる賭博遊戯がルーツで、江戸時代になると「穴一〔あないち〕」と呼ばれるようになり、子供の遊びとして発展していきました。それにつれて、用いるものも、銭から泥めんこ、ムクロジの実(※)と変り、明治時代になると泥玉が作られ、明治30年頃から大阪でガラスのビー玉が出まわりだしました。しかし初めはなかなか普及せず、明治33年頃からようやく普及しました。関東地方でも遊ばれるようになったのは明治35、6年頃で、全国に普及したのは明治時代の終わりごろの様です。
※ムクロジの実…ムクロジ科の落葉高木で、黒色の種子は数珠〔じゅず〕に用います。
図形からはじき出す
地面に星形や円形などの図形を描き、その中に決められた数のビー玉を置きます。図形によって「星ビー(星形)」「丸ビー・島だし(円形)」などの呼び方があります。 3メートル程離れた場所から親ビー玉を投げ入れ、置きビー玉をはじき出します。地面の図形から出たビー玉は自分のものにできますが、親ビー玉が図形の中に残ると失格となります。 他に、自分の目の高さからビー玉を落とし、置きビー玉に命中させる「目玉落とし」という遊び方もあります。
■参考文献・ウェブサイト
- おもちゃ博物館・4 めんこ・ビー玉 多田敏捷 京都書院 1992