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加工法別

和紙はその加工法(揉む、穴をあけるなど)や染色方法、デザインの違いでも分類できます。様々な加工を施された美しい日本の和紙は、美術紙として国内外を問わず多くの人に愛されています。また、千代紙や板締紙などの染め加工の和紙は、地紙(※1)に種類別で紹介した各地方独自の和紙を利用しています。
※1…模様や染めのある和紙を作る上でベースとなる和紙

雲竜紙

読み方:うんりゅうし

雲竜紙の画像

手でちぎった楮〔こうぞ〕の長い繊維を地紙(※1)に散らせて雲のような模様をあらわしている紙を、雲竜紙と呼びます。大典紙〔たいてんし〕、筋入り紙とも呼ばれてます。着色した繊維を用いるものを色雲竜紙、数種類の着色繊維を用いるものを多色雲竜紙といいます。

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柿渋紙

読み方:かきしぶがみ

柿渋紙の画像

柿渋紙とは、渋柿からとれる汁(柿渋)を美濃紙などの帳簿に張り、防水性を与えた紙です。柿紙・渋紙ともいいます。また、平安時代からある紙子(※2)には柿渋が使われています。渋紙や紙子は旅装用具として需要が多かったので、旅の通り道となる京都の五条松原通や大阪の久宝寺町には多くの紙渋屋や紙子屋がありました。
※2…紙で作られた衣服

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板締紙

読み方:いたじめがみ

板締紙の画像

紙をいろいろな形に屏風だたみにし両面から板を当てて強く縛り、染色したものが板締紙です。板の当たっていない部分が染色され、文様が染め出されます。紙の折り方、板の形によっていろいろな幾何学的な繰り返しの文様ができます。文様の端がぼかしたように仕上がり、独特の美しさがあります。

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京千代紙

読み方:きょうちよがみ

京千代紙の画像

京千代紙とは、京都でつくられた千代紙のことです。千代紙は贈り物の包装紙として用いられた絵奉書(祝儀用の書簡)が、木版摺りの技術と結びついて量産されるようになったものです。江戸時代には、貴族の伝統的な文様(有職文様)が主流でしたが、町人向けの需要が増えるにつれて、京都の風土・行事にちなむ文様が増えてきました。京千代紙はそのデザインと色使いが渋いことが特徴です。

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江戸千代紙

読み方:えどちよがみ

江戸千代紙の画像

江戸千代紙とは、江戸でつくった千代紙のことです。元々千代紙は京都が原産地であり、江戸は後発地です。しかし、町人社会の発展にともない需要が多く、また浮世絵版画の木版摺りの技術が普及していたため、江戸の千代紙作りは京都をしのぎ多彩に展開しました。
江戸千代紙は江戸の風土に根ざした粋なデザインが多いことが特徴です。歌舞伎などの芝居を元に作られた、歌舞伎十八番・隈取り・役者紋づくし・定引縞など、華美な色使いで鑑賞的なものが目立ちます。

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落水紙

読み方:らくすいし

落水紙の画像

落水紙とは、和紙の材料を混ぜ合わせる糊である粘剤〔ねり〕を多量に入れて漉いた薄い地紙がまだ湿めっているときに、水を噴霧状に落として小さな穴をあけた紙です。また、落水紙には水の動きで様々な模様を描くものもあります。非常に緻密な模様であるため、それ自体がまさに芸術品です。江戸中期からはじまった水玉紙の技法を昭和期に福井県今立町が発展させました。

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更紗紙

読み方:さらさがみ

更紗紙の画像

更紗紙とは、インド更紗やジャワ更紗などと呼ばれる模様を型紙で染めた紙です。更紗模様は室町末期に南蛮貿易によってもたらされました。ポルトガル語のsarasa(木綿布)、またはインドの地名suratに由来するなど、様々な説があります。そのエスニックで大柄な模様から、更紗紙を好む人は多いようです。

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揉紙

読み方:もみがみ

板締紙の画像

揉紙とは、その名の通り、揉んでやわらげ、シワをつけた紙です。襖〔ふすま〕や掛け軸に使用する際、布地のようなやわらかい感触を出すため、このような揉み加工を施します。その独特の感触は紙細工でも好んで使用されます。

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友禅紙・総柄友禅

読み方:ゆうぜんがみ・そうがらゆうぜん

友禅紙の画像

華やかな友禅文様表した装飾紙を、友禅紙と呼びます。また、全体が柄になっている友禅紙を、総柄友禅と呼びます。着物の友禅染めなどに代表されるように、友禅模様は多くの色を使って絵画風な模様を華麗に染めます。"友禅紙・総柄友禅""更紗紙""京千代紙""江戸千代紙"など、染め模様の和紙をまとめて「千代紙」として販売しているものが多いようです。

■参考文献・ウェブサイト


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