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因州和紙

読み方:いんしゅうわし
関連語:書道

因州和紙の画像

産地:鳥取
三椏〔みつまた〕で作られた因州和紙はきめが細かく、筆運びがなめらかなので、書道用紙として主に使用されます。墨跡が鮮明で、筆先が傷まないことから評判になり、俗に「(因州)筆切れず」と呼ばれます。

用途・特徴筆先自由自在

主な用途に書道用紙(画仙紙(※1))・半紙・襖紙・障子紙などがあり、工芸用紙として短冊・色紙なども生産しています。特に、因州和紙の書道用紙はきめが細かく、筆運びがなめらかなことで定評があります。墨跡が鮮明で、濃淡の表現が思いのままでき、筆先が傷まないと評判をとり、俗に「(因州)筆切れず」と呼ばれます。

※1『画仙紙(宣紙)』…中国原産の書画の料紙。玉版箋・二層紙などの種類があります。日本でも模造され、和雅仙〔わがせん〕と呼びます。

起源・歴史命がけの伝承

因州和紙は寛永5年(1628)、日置村(現青谷町山根)に美濃国の旅人から伝えられたという話があります。しかし当時美濃では紙漉きの技術を他国に伝えることが禁止されていたため、旅人は美濃に帰ってから処刑されたといわれますが、因州和紙の起源は定かではありません。初期は杉原紙(中世の武家社会でもっとも多く流通した中厚の楮紙。虫食いに弱い)・半紙などが生産の中心でしたが、昭和28年(1953)頃から書道用紙(画仙紙)に生産の中心を移すことで、需要が大幅に伸び、現在では書道用紙の一大産地となっています。

原料・漉き方名工の成せる技

因州和紙は産地別に原料が異なり、鳥取県佐治村では三椏を、青谷町では楮を主な原料としています。

とろろ葵の根から作った液を、楮などで作った紙料液に入れて簀桁〔すげた〕で汲み、揺り動かしながら繊維を絡め合わせ、何度も汲み上げることによって希望の厚さの紙を作ります。この工程が最も難しく、技術と経験がものをいいますが、画仙紙は全判1枚の重さが八匁〔もんめ〕五分(約31グラム)で、名工といわれる人の漉いた紙は100枚が100枚とも同じ目方で厚さにも差がないという、気が遠くなるような手技です。

■参考文献・ウェブサイト


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