コート
読み方:こーと
[女性用]
コートは外衣ともいい、着物の種類の中でも、外側に着用するものの総称です。防寒・防雨・防風などの実用的な面以外にも、着物の外観を装うおしゃれ着にもなっています。
洋コートに勝る和装コート>
コートには防雨用の雨コートや、防寒のための半コート・防寒コートなどの種類があります。実際に着用するコートは、濡れても縮まず、色落ちのしないもので、皺になりにくいものを選ぶ必要があります。和服用のコートには、洋服のコート・レインコートなどとは比べ物にならないほど種類があるので、色彩や風合により自分自身に合ったものを選ぶことができます。男性用にも様々なコートがあり、天候を問わず男女ともに日々の着物を楽しめます。
鷹匠合羽が起源
着物用のコートは、元々鷹匠〔たかじょう〕(鷹狩りのために鷹を飼いならす人)が着た合羽〔かっぱ〕を鷹匠合羽といったのが始まりと言われています。それが次第に変化して、旅の際に着る道中着となり、その後外出用のおしゃれ着として一般化してゆきました。
現在では昔からの和服地以外のウール・化繊などを使うことが主流になっており、形にも洋服の流行が一部取り入れられています。
コートを着ての訪問
和装コートを着用する際、袖丈は着物と同寸かやや短めにします。丈は同寸かコートの方が長くなるようにします。
和装コートを着て友人宅などを訪問する場合は幾つかの作法があり、その1つは「玄関に入るときにはコートを既に脱いで手に持っている」という事です。かなりの雨や雪が降っていた場合は失礼には当たりませんが、洋コートと違い和装コートは家の外で脱ぐことが決まりです。また、脱いだコートが濡れていれば、中表にしてたたみ、「コートをお預かりします」と言われた場合は、玄関の下座の方に置きます。部屋の中にコートを持ち込む事は、ご法度です。