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振袖

読み方:振袖

振袖の画像

[女性用]
振袖とは袖の長い着物のことを言い、未婚女性が着用する最も格式高い着物です。袖は最も大きいものでおよそ3尺(114cm)、くるぶしまでも袖があります。華やかで若々しい柄のものが多く、成人式・結婚式(花嫁、出席)などの晴れの舞台に着用されます。
袖丈の長さにより大振袖・中振袖・小振袖の3種類に分けられます。

意味・目的・特徴恋愛感の象徴

振袖には手描友禅〔ゆうぜん〕の技法で四季の草花や鳥獣、風景などが描かれています。さらに、金箔や刺繍〔ししゅう〕を施したりと、品格を重んじた華美な柄付けになっています。

振袖が今のように未婚女性の着物となった事の1つに、江戸初期(約400年前)の踊り子の風俗が上げられます。これは、袖を振ると愛情を示す、袖に縋る〔すがる〕と哀れみを請う、などといったもので、それを未婚の娘達が真似をして大流行したため、振袖は未婚女性の着物という習慣が出来上がったと言われます。また、袖を振るという仕草から、厄払い・清めの儀式に通じるとも考えられていました。結婚式や成人の日などに振袖を着用するのは、人生の門出に身を清めるという意味を持つようです。
このように昔から振袖は人との縁・魂を呼び寄せ、厄払い・お清めに通じると考えられていました。

起源・歴史男女ともに着用

振袖の特徴である大きく脇があいた袖は、元々大人に比べて体温が高く、動き回ることで熱気を発し易い16、7歳以下の男女・子供の体温を一定に保つために作られたものでした。当時はこれを「脇明け」と呼び、袖丈を短くすること(留袖)はなかったようです。このように、装飾的な意図を重視したものではなく、あくまでも実用面に重点がおかれていました。
しかし時代の流れとともに実用面よりも装飾的な面を重視するようになり、振袖は女性が愛情表現をするために使用されるなどユニークな一面を持ち始めました。そして、江戸時代後期には振袖は子供や未婚の女性が着用するものとして定着しました。

着用方法・作法・形式3種類の振袖

大振袖・中振袖・小振袖はそれぞれ以下のように使い分けるのが良いとされています。

大振袖・・・紋を5つ付け(五ツ紋)で全面に柄をあしらった(絵羽模様〔えばもよう〕)物が正式とされていますが、現在では紋は省略されている事が多いようです。結婚式で花嫁が着用することが主でしたが、近年では成人式にも大振袖が多く用いられるようになりました。

中振袖・・・結婚式の出席や成人式などの正式な儀式の場に着用します。特に結婚式などは、黒っぽい服を着ている人が多いので、華やかさを足す意味でも好まれます。大振袖に次ぐ礼装で、袖丈の長さは2尺(76cm)前後です。昔は成人式などの儀式には中振袖が一般的でしたが、現在は女性の身長が昔と比べ格段に伸びた事などから市販されている振袖のほとんどが大振袖だといわれます。

小振袖・・・パーティーなど、気軽に礼装を楽しみたい場合に着用します。あまり堅苦しくなく振袖を楽しめます。小振袖は一般に市販されておらず、袖丈の寸法を指定して仕立ててもらいます。袖丈が短いので、可愛らしいイメージになります。観劇やお茶会など、気軽なお出かけ・パーティーに用いられます。

■参考文献・ウェブサイト


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