猿回し
読み方:さるまわし
猿を操って、猿に様々な芸をさせる大道芸です。
主として正月などのめでたい時に行われる芸ですが、全国的にも非常に人気が高く、全国を公演して周る猿まわし団も存在しています。
縁起の良い芸
猿は「去る」に通じることから「魔を去る(払う)」と信じられ、神の使いと考えられていました。 その為、猿まわしは「悪しきを去って、良きことを得る」という、非常に縁起のよい芸として確立しました。 本来、正月などのめでたい時に、人家の門口で猿まわしを演じて金品を貰っていましたが、現在では、庶民の娯楽として大道芸人が劇場などで披露しています。
かつては江戸幕府専属の職業
猿まわしはインドで発祥し、インドから中国、シルクロードを経て日本へ伝わったと言われています。
日本では鎌倉時代の初期に、当時の武家にとって戦役・物資輸送として重要視されていた馬の疫病退散・守護のために猿まわしが行われました。その後、江戸時代には、徳川幕府の専属の職業として確立しました。
しかし、江戸幕府の崩壊とともに、猿まわしという職業は衰退しました。現在では大道芸として、テレビ・劇場にて見ることができます。
根気のいる猿の調教
日本の猿まわしでは主にニホンザルが活躍しています。
猿の寿命は約20年と言われ、成長するのが早く、一年で成人するといわれています。
もともと群れの中で生活する動物なので、本能的にボス争いをするため、人間に対しても反抗的になったり、野性的になったり、サルの調教は根気の必要な非常に難しいことです。
「反省ザル」で有名な太郎・次郎のように、調教師とサルとの信頼関係を築くことによって、より素晴らしい芸ができるようになります。
■参考文献・ウェブサイト
- イラスト辞典 大道芸大全 宇野文博 同文書院 1998