長刀
読み方:なぎなた
同義語:薙刀
「長刀」または「薙刀」と書いて”なぎなた”と読みます。その字が表すように「長い刀で相手を薙ぎ倒す」武道です。しかし現在は相手を倒すことが目的ではなく、心身ともに調和を取るということを目的としています。なぎなたの競技者は主に女子が主流となっています。
長い武器で相手を薙ぎ切る
競技人口の多くが女子で占められていることで有名な「なぎなた」ですが、特徴の最たるものは何と言ってもその武器の長さです。
装束や試合方法も剣道と殆ど同じですが、武器の長さが全く違います。2m以上の長い武器で相手を薙ぎ切るように戦います。
なぎなたの本来の目的は、武道訓練を通して心身を成長させていくのが狙いです。そうして修練していく中で日本の伝統を継承していくことを基本理念としています。
現在では世界10数ヶ国に普及し、「日本のなぎなた」が「世界のなぎなた」に変貌を遂げる時を迎えています。
女子の武道へ
なぎなたの起源ははっきりとはわかっていませんが、書物等に登場するのは平安時代中期前後です。当時はその長さを生かして、歩兵が戦場で人馬を薙ぎ払うといった役目で使用されていました。多数の敵を相手にする時や海上での戦いにその威力を発揮したと伝えられています。
室町時代末期になると、突き・刺しを得意とした槍に取って代わられ、さらに鉄砲の伝来と共に徐々に衰退していきます。戦場での役割を失うと、護身用の武術として僧兵や武家の女子に広まっていきます。その流れで明治時代以降は女子の武道として発展していきます。
2m以上の長い武器
装束や試合方法は剣道とほぼ同じで、防具(面、小手、胴、垂れ)を着用しますが、「すね当て」も用います。武器の長さは2.1mから2.5mという大変長いもので、これを使って攻撃・防御を行います。
演技は悠然と
競技としてのなぎなたには「試合競技」と「演技競技」があります。試合競技は3本勝負で2本先取です。制限時間内に有効な攻撃が決まるかが勝敗のポイントです。有効な攻撃とは、定められた部位(面、小手、胴、脛〔すね〕、咽喉〔のど〕)を打突することです。演技競技では技の優劣を競い合います。