浄瑠璃
読み方:じょうるり
関連語:三味線・歌舞伎・大鼓・小鼓
三味線音楽における語り物の総称です。室町時代に成立して、江戸時代に最盛期を迎えました。
人形芝居や、歌舞伎の音楽、あるいは純粋な語り物として広く庶民に愛好され、日本音楽の一大ジャンルを形成しました。
三味線伴奏で語る
浄瑠璃とは、三味線伴奏による語り物です。語り物とは、三味線で拍子を取りながら語って聴かせる物語の事を指します。江戸時代に入ると、浄瑠璃は多くの流派に分かれ、浄瑠璃は歌舞伎・人形劇などの劇場音楽として発展しました。現在は、「浄瑠璃」といえば、有名な一派である義太夫節〔ぎだゆうぶし〕を指すことが多いようです。また、浄瑠璃と人形劇を組み合わせた人形浄瑠璃の1つである文楽も有名です。
もとは浄瑠璃姫のロマンスのお話
もともと浄瑠璃は、扇や鼓〔つづみ〕で拍子を取ったり、琵琶の伴奏で語られていましたが、16世紀の室町時代に三味線の伝来とともに、三味線が浄瑠璃の伴奏に使われるようになりました。この時代に誕生した語り物の中に、牛若丸と浄瑠璃姫のロマンスを題材にした物語があり、人気を集めました。この物語の浄瑠璃姫の名前にちなんで、その後にできた語り物を浄瑠璃と呼ぶようになりました。また17世紀の江戸時代初期には、人形劇とも結び付き、人形浄瑠璃として人気を集めました。
上方の義太夫節、江戸の清元節・新内節
浄瑠璃は、語り手によって節〔ふし〕の語りまわしが違ったことから、演奏者の名前をつけて「○○節」という名前でよばれるようになりました。 代表的なものは上方(関西)で発展した「義太夫節〔ぎだゆうぶし〕」、江戸で発展した「清元節〔きよもとぶし〕」、「新内節〔しんないぶし〕」などがあります。
※義太夫節
人形浄瑠璃(文楽)の伴奏として演奏されます。登場人物の感情表現がはっきりしていているのが特徴です。
低音の力強い太棹三味線を、大きめの撥〔ばち〕で演奏します。
※清元節
高音で一音一音を延ばし細かく節に変化をつける派手で粋な曲節と、甲高い声を裏声で聞かせるのが特徴です。
演奏には、常磐津のものよりやや細めの中棹三味線を用います。
※新内節
初期は、歌舞伎に用いられていましたが、後に江戸の遊郭を中心に座敷浄瑠璃として流行しました。
演奏には、中棹三味線の中でも太めのものを用い、筝〔こと〕の義爪やごく小さい撥で細かく弾きます。