食い初め
読み方:くいぞめ
食い初めとは、生後100日目か200日目(地方によっては110日目)にこどもに初めてご飯を食べさせる祝いの行事です。
赤ちゃんにご飯を食べさせる日
食い初めとは、「箸初め」「箸揃え」「真名〔まな〕初め」「百日〔ももか〕」などといい、生後初めて赤ちゃんにご飯を食べさせる祝いの行事です。歯が生えるほどに成長したことを喜び、こどもが一生食べるものに不自由しないように祈り、健やかな成長を願う儀式です。
御餅から魚肉を食べる習慣へ
食い初めの起源や由来ははっきりとはわかっていませんが、平安時代から行なわれていたといわれています。
平安時代、赤ちゃんにお餅を食べさせる「百日」という行事がありました。その後、餅から魚肉に変わり鎌倉時代には「真魚初め」と呼ばれるようになりました。その様子が「平家物語」や「源平盛衰記」などに書かれています。そして「真魚初め」は、初めて箸を使うので「箸揃え」「箸初め」「箸立て」とも呼ばれていました。
そして、室町時代に書かれた「河海抄〔かかいしょう〕」に「冷泉天皇の生後百日後に御餅を供す」と記されており、その後、この風習が「食い初め」と呼ばれるようになったそうです。
料理に小石を添えるのはなぜ?
この頃、こどもにも歯が生え始めることから、それを祝い、新しい茶碗・汁椀や皿などを用意します。そして、歯が石のように丈夫で堅くなるようにとの願いから料理に小石がそえられることもあります。
また、そのとき用意されるものは「食い染め椀〔わん〕」という鶴亀や松竹梅などのおめでたい蒔絵模様の描かれたお椀などで、料理には赤飯や御頭つきの魚を用意したりしますが、実際には食べる真似をさせるだけのようです。
■参考文献・ウェブサイト
- 子どもに伝えたい年中行事・... 萌文書林編集部 萌文書林 1998
- 年中行事・儀礼事典東京美術選書 川口謙二 池田孝 池田政弘 東京美術 1997