長唄
読み方:ながうた
関連語:歌舞伎・三味線・囃子
歌舞伎舞踊の伴奏音楽として発展した三味線音楽で、「江戸長唄」とも言います。
長編の歌曲として、現代でも歌舞伎音楽の伴奏として演奏されています。
派手でリズミカル
長唄は、唄の部分と三味線だけの部分にわかれています。1曲の長さは短いもので1〜2分の曲から長いもので50分以上の曲もあり様々です。
歌舞伎の音楽として発達したので、派手でリズミカルなものが江戸長唄の特徴です。
歌舞伎音楽として
長唄は、17世紀前半に上方からもたらされ、歌舞伎音楽として江戸で発展しました。その頃から、江戸の「長唄」と上方の「長歌」の性質が次第に異なってきました。上方の「長歌」は盲人の手によって歌い続けられ、地歌として現存しているものがあります。一般的に現在の「長唄」は江戸で発展した歌舞伎舞踊音楽「江戸長唄」の事を指します。幕末になると「お座敷長唄」と言う純粋に演奏用の長唄が作曲され、明治には、歌舞伎を離れた長唄演奏が盛んになりました。このように、歌舞伎を離れた新しい趣向の曲が次々と作曲され、現在まで発展しています。
三味線とお囃子で賑やかに!!
長唄の演奏には、唄と細棹〔ほそざお〕三味線が使用されます。 また、賑やかなものになるとお囃子〔はやし〕も入れて演奏されます。 通常は舞台に向かって左が唄、右が三味線で、一列に並びます。大人数になると2列以上に並ぶこともあります。 唄も三味線も、真中から順にタテ、ワキ、三枚目…と呼び、一番端の人はトメと呼びます。 タテの人が曲をリードする役割で、タテ以外の人達はタテに合わせて演奏をします。したがってタテから一番遠いトメは、タテの奏でる音に神経を集中させ、タテの癖をも知り尽くしていないと務まらないので、熟達した技術が必要です。
■参考文献・ウェブサイト
- 『日本音楽大辞典』 平野健次・上参郷祐康・蒲生郷昭 平凡社 1989
- 邦楽百科辞典―雅楽から民謡まで 吉川英史 音楽之友社 1984
- 日本音楽の歴史と鑑賞 星旭 音楽之友社 1971
- ひと目でわかる日本音楽入門 田中健次 音楽之友社 2003
- 酒井秀敏『長唄ホームページ』(2004.6.28)