端唄
読み方:はうた
関連語:三味線
江戸時代後期から幕末にかけて流行した当時の流行歌で、三味線小歌曲の一種目です。曲の長さは大体3分くらいの短い曲で、小唄の源流と言われています。
一般庶民の音楽
端唄の内容はわかり易く、季節の風景や、恋愛模様を短い曲の中に折り混ぜてあります。
旋律も歌い方も簡単で、リズムも凝ったものではなく非常に単純なので、一般庶民が直接楽しめる音楽として流行しました。
庶民が生みだした端唄
幕末に、長唄などの劇場音楽を、一般庶民が自分で歌って楽しんだのが、端唄の始まりです。
1840年代には、端唄が大流行し、民衆に愛好される三味線小歌曲として大成しました。 次第に、小唄の出現によって端唄は衰退していきました。端唄は、一般庶民の娯楽の流行歌でしかなく、家元制度がありませんでした。そのため、代々受け継いでいく場がなく、衰退していったとも考えられています。
唄と三味線
端唄は唄と三味線によって演奏されます。
小唄のように三味線が唄をリードするものではなく、唄と三味線どちらも自由に自然な雰囲気で演奏されます。
リズムや調子は規則的で非常に単純です。
小唄と同様、中棹〔ちゅうざお〕三味線を使って演奏します。
■参考文献・ウェブサイト
- 『日本音楽大辞典』 平野健次・上参郷祐康・蒲生郷昭 平凡社 1989
- 邦楽百科辞典―雅楽から民謡まで 吉川英史 音楽之友社 1984
- ひと目でわかる日本音楽入門 田中健次 音楽之友社 2003
- Tamayura Office「邦楽豆辞典」『三味三昧』(2004.6.28)