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金太郎

読み:きんたろう
同義語:足柄山の金太郎・怪童丸・坂田金時・金時・怪童金時

金太郎のイメージ画像

金太郎は、源頼光〔みなもとのよりみつ〕に仕えた坂田金時〔さかたのきんとき〕がモデルとなった話です。これまで紹介した物語と違い、実在の人物を讃える目的で誕生した物語ではないかと考えられています。
一般的に知られている「力持ちの金太郎は山で熊と相撲をとっていた!」というお話の先には、金太郎が都会に出て出世していくというお話に繋がりますが、こちらはあまり知られていないようです。

意味・目的・特徴男の子の守り神

金太郎はまさかり(※)を肩にかついで熊に乗り、前掛けをした姿の男の子です。神奈川県にある足柄山に住んでいたと言われています。金太郎は出世、強健、武勇などを象徴する、男の子の守り神のような存在と考えられ、五月人形の題材にも用いられています。しかし、モデルとされる坂田金時の幼少時代とはあまり似ていないようです。

※まさかり・・・木を切るための大型のオノのことです。

起源・歴史・由来頼光四天王の一人、金時

現在の金太郎伝説は浄瑠璃や歌舞伎を通して江戸時代に成立したと考えられています。
坂田金時の幼少時代や出世の物語りが脚色されて伝えられた物語が現在の金太郎の物語になったと言われています。源頼光に仕えた金時を含む4人の家来は「頼光四天王」と呼ばれ、頼光の時代から100年程後に出版された「今昔物語」にも登場しています。金時をのぞいた3人の家来達はその実在が証明されているようですが、金時の実在を証明する資料はいまだ見つかっていないようです。

※金時は公時と書かれることもあります。

話金太郎

昔々、足柄山に金太郎という男の子が住んでいました。
金太郎は元気のいい男の子です。森に住む動物と遊んだり、相撲をしたりして毎日を過ごしていました。
「くまさん、次は君の番だ。さあ、かかってこい。」
熊も金太郎にはかないません。
数年が過ぎ、春が来ました。ある日、金太郎は動物たちと隣りの山に探検に出かけました。大きな熊の背中にまたがり、おのを肩に背負います。金太郎の後をねずみやリスや猿やうさぎやキツネやタヌキやいのししや鹿がついていきます。
がけに来ると下を激流が流れていました。
「流れが速くて川は渡れない。」と金太郎。
「あの大きな木を倒して橋を作りましょう。」と熊は木を押しましたがびくともしません。押しても葉っぱが揺れるだけです。
「よし、私がやってみよう。」と金太郎は大きな木の前に立ち、力一杯押し始めました。するとどうでしょう、木が傾き、大きな音とともに倒れ川の上にかかりました。みんな大喜びです。すると後ろから声がしました。
「ものすごい力だ。」
そこには立派な武士とその家来が立っていました。
「私は源頼光と申すものです。私の家来になりませんか。」
「私は武士になれるのですか。」
「あなたならきっとすばらしい武士になれるでしょう。」
金太郎は山を去ることにしました。
動物たちも金太郎をさびしそうに見送りました。
数年が過ぎ、金太郎は坂田金時という武士になり、大江山に住む鬼も退治しました。
金太郎はとても強くて忠実な武士になったそうです。

※「は:金太郎」の内容はMasahiro Kudo『old stories of japan(日本昔ばなし英訳版・日本語訳・わらべ歌・子守歌)』より転載許可を頂いた上で掲載しています。

■参考文献・ウェブサイト


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