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御召

読み方:おめし

御召の画像

[女性用]
御召は御召縮緬〔おめしちりめん〕という生地で仕立てられた着物の総称で、全体に波をうったような細かい皺(シボ)があることが特徴です。織りの着物の中では最も高級な、正絹(シルク)の着物です。

意味・目的・特徴最高級の織着物

御召は紬や絣などと同じく織の着物です。西陣や白鷹、塩沢などの各産地や織り上げ方法ごとに、柄や風合いに特徴が出ます。
御召には次のような種類があります。

■絣御召〔かすりおめし〕
絣柄を織り出した御召のことで、入卒式などに見かける矢羽根柄(矢絣)の御召はこれにあたります。矢絣のほか「立湧〔たちわき〕」「井桁〔いげた〕」など、単純で分かり易い柄が多いことが特徴です。

立湧のイメージ画像 井桁のイメージ画像

■縞御召〔しまおめし〕
様々な縞模様を織り出した御召のことで、徳川家斉〔いえなり〕の御召物とされた柳条縞緬〔りゅうじょうちりめん〕がその起源とされます。その美しい縞模様は年齢、男女の区別なく愛されています。

■羽ニ重〔はぶたえ〕
質の良い糸が使われるため光沢があり、肌ざわりの良い御召です。初期の頃は白地のまま使われる事が多く、下着の重ねや貴族、上級武士の寝巻き、白装束などに用いられていました。最近では喪服や男性の正装など黒い色が中心に着用されています。

起源・歴史徳川家の御召料に>

御召縮緬の起源となった柳条縮緬は、天正年間(1573〜1592)に中国の織工が和泉の堺(現在の大阪府堺市)へ渡来して技術を伝え、それ以来国産されるようになりました。その高級な質感から、貴族や武将に大変好まれていたようです。江戸時代に入り、徳川11代将軍家斉〔いえなり〕がこれを好んで着用し、"徳川家の着物(御召料)"としたことから"高貴な方の御召物"を略して"御召"という名がついたと言われています。庶民の間では、11代将軍家斉の愛用着であった御召は、晴れ着として着用されるようになりました。
現在でも、「東の銘仙、西の御召」と言われるように、御召は着物の代表とされています。大正、昭和初期の日本を代表する画家が描いた美人画には、御召を着た女性の姿が多く描かれています。現在でも御召は、格式や年齢にとらわれず多くの人々を魅了し続けています。

着用方法・作法・形式女学生の象徴「矢絣に袴」

明治・大正時代、御召の着物は女性たちの憧れでした。大柄な矢羽根柄(矢絣)の御召に、海老茶色の袴姿の女学生スタイルは、大正末年に洋服ができるまで大流行し、現在も高校や大学の入卒式では矢絣御召に袴姿の女性を多く見かけます。
そのような場以外では、女性はお稽古事や観劇・同窓会など軽いお出掛けの際に着ることが多く、男性は喪服や正装など改まった場で着る事が多いようです。

■参考文献・ウェブサイト


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