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葬儀

読み方:そうぎ
同義語:葬式・葬礼〔そうれい〕・弔い〔とむらい〕・葬〔そう〕

葬儀の画像

死者をほうむる儀礼です。一般的な葬儀の方法は、臨終の後、納棺し、通夜を行います。その後葬儀・告別式、出棺、火葬を行い、遅くとも一年以内に墓へ納骨します。

意味・特徴・目的生前の世界から死後の世界へ

葬儀は生物学的な意味での死を前提とした、亡くなった人の社会的な死を確認するための儀礼です。また故人を生前の世界から死後の世界へ送り出すための儀礼でもあります。
死者の信仰していた宗教のしきたりにのっとり、各種各様のスタイルで葬儀が執り行われます。仏教、神道、キリスト教では、かなり葬儀の形式が異なります。参列者たちは、仏式では焼香、神式では玉串奉奠〔たまぐしほうてん〕、キリスト教式では献花を行います。
仏教の葬儀は、多くの場合、喪家〔そうか〕でお経が読まれる等した後、寺院で故人に仏としての悟りを開かせる儀式を行います。
一方、神道では死を穢れとする観念があるため、神社で葬儀が行われることはありません。神葬祭では死者が神の世界に還っていくことを神に報告したり、遺体から分離した霊を位牌のようなものに移し、その後故人と訣別〔けつべつ〕する儀式を行います。

起源・歴史参列者は喪服を着なかった

古来より日本では4種類の葬法が行われてきました。第一に火で遺体を焼き、骨を墓に収める火葬、第二に遺体を焼かずにそのまま土中に埋める土葬、第三に川や海に遺体を流す水葬(舟にのせて流す場合もあり)、第四に山や林の中に遺体を棄てる風葬がありました。
土葬は縄文時代から一般的に行われており、古墳時代には豪族たちがこぞって竪穴式や横穴式石室のある大規模な墳をつくりました。その後仏教の影響で火葬が奈良時代頃始まり、室町時代にはかなり普及したようです。その頃武士の間では祖先祭祀が活発になり、氏寺を葬祭の拠点にするようになりました。戦国時代には大名たちが菩提寺を決め、そこで一家代々葬儀や供養を行い始めました。
多くの地域では、昔から葬儀は村落内で組織する葬式組によって行われました。しかし昭和30年代以降、各地で専門の業者が葬具の賃貸や販売を行うようになりました。その後業者は業務拡大し、葬式組の役割をそのまま受けつぐこととなりました。
今日、遺族や参列者が着る喪服は黒を基調としたものです。しかし、一部で墨色が着用されていたのを除いて、弥生時代から明治時代の頃まで無染色の白でした。また喪服を着るのは遺族のみで、参列者は普段着で臨みました。昔は「喪に服する」と言って、近親者には死の穢れが及んでいるとされ、亡くなった後しばらく近親者は家にこもり身を慎みました。白い喪服は身を慎む人が着る服装だったので、喪に服していない参列者が喪服を着ないのは当然でした。
明治に入り男性は紋服やダークスーツなどに変わり、女性も大正以降黒紋付を着るようになりましたが、なぜ白から黒へ変化したのか、喪服の歴史はまだまだ研究途上のようです。

方法・形式末期の水、魂呼ばい、枕飯

日本の伝統的な葬送習俗に、「末期〔まつご〕の水」「魂呼ばい」「枕飯」があります。
「末期の水」は臨終を告げられた後、近親者がその人の口に含ませる水で、あの世で飢えや渇きに苦しまないようにするものです。「魂呼ばい」は死者の枕元や屋根に上り、故人の名を呼び、その体から抜けた魂を呼び戻そうとするものです。「枕飯」は故人の使っていた茶碗に米の飯を高く盛り、中央に箸を立て、枕元に供えるものです。魂は体を抜けた後、葬儀の前に一度善光寺(長野古元善町にある寺)へ行くという俗信があり、枕飯はその際食べる弁当だとされています。

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