Home ≫ ほうき

読み方:ほうき

箒の画像

箒は、実用的な形になってから形が1000年以上ほとんど変わっていないにも関わらず、屋外での掃き掃除には欠かせない道具として現在でも使われています。また掃除道具としてだけでなく、神様が宿る神聖なものとして様々な言い伝えが残っています。

特徴神様が宿る掃除道具

箒は、掃き掃除の道具です。掃除機では不可能な屋外の掃除には欠かせず、屋内でも家具の隙間などは掃除機に全く引けを取りません。
また、箒は掃除の道具としてだけでなく、古くから神聖なものとして考えられ、箒神〔ははきがみ〕という神様が宿ると言わています。箒神とは、産神〔うぶがみ〕(出産に関する神)の一つです。掃く、掃き出すという行為が、出産と結びつき、妊婦のおなかを新しい箒でなでると安産になると言われたり、玄関に逆さに箒を立てることで、長居の客を帰す(家から掃き出す)というおまじないもあります。また、神聖なものですから、またぐと罰が当たるという言い伝えもある、なんとも神秘的な背景を持つ道具です。

起源・歴史祭祀用から実用へ

現存する最古の箒は、古墳時代中期(5世紀後半)のものです。小枝を束ねたもので、具体的な使用方法は明らかではありません。その後、古事記(奈良時代・712年)の中に「玉箒」や、「帚持〔ははきもち〕」という言葉で登場しています。「玉」は人間の霊魂のことで、「帚持」とは、葬列に箒を持って加わった人のことです。つまり、奈良時代の箒は、人の命に関係深いものとして扱われ、祭祀用の道具として使われていました。
このような背景を持つ箒ですが、少なくとも平安時代には掃き掃除の道具として使用されています。また、室町時代には、箒売りという職業が登場しますが、これは箒が掃除には欠かせない道具になったことを表しているでしょう。
昭和30年代からの掃除機の普及や、畳部屋の減少により、屋内で使用されることはほとんど無くなりましたが、屋外では現在も使用されています。

形式場所に合わせて

植物を束ねるという基本的な形は、今も箒が作られた当初から変わっていません。柄が付いたり、素材となる植物が数種増えた程度です。
箒には大きく分けて、屋内用の座敷箒と屋外用の庭箒があります。
座敷箒には、棕櫚やホオキモロコシなど、柔らかい素材が使われます。畳を掃除するときは、湿った茶殻を畳に撒いてから掃きます。そうすることで、茶殻にほこりが吸い付き、掃除機を使わなくても畳はとてもきれいになります。また、箒での掃除は畳を傷つける心配もありません。擦り減った座敷箒は、玄関まわり・土間など、屋外用として使われることになります。
庭箒には、代表的なものに竹を使った竹箒があります。竹箒は穂先が荒いので、砂や小石を逃しつつ庭の落ち葉をかき集めるのに適しています。

■参考文献・ウェブサイト


おすすめウェブ・サイト

おすすめ本


トップページへ当サイトについてサイトマップ(キーワード一覧)個人情報の取扱についてお問合せ

Valid CSS! Valid XHTML 1.1!