盆栽
読み方:ぼんさい
盆栽とは、陶磁器の鉢などで植物を育てながら、植物の姿の美しさを求めていく日本の伝統的な芸術です。
盆栽の種類としては松類が代表的ですが、花物・実物・草物・葉物など様々な種類があり、いずれも数10センチで実際の草木のミニチュアのようなものです。
鉢の中の自然美
盆栽は、陶磁器で作られた鉢(盆)の中で草木を栽培する(栽)という意味です。草木が生育する過程の中で培養したり、姿を整えたりして、自然美をつくりだし、その美しさを鑑賞する芸術です。 盆栽の中には、代々受け継がれているものもあり、そのような盆栽は、数10センチの草木でありながら、自然の大樹を思わせるような存在感のあるものばかりです。現在盆栽は、わずかな鉢の空間の中に壮大な自然の美を表現する芸術として、日本国内のみならず世界各国で楽しまれています。
世界のBONSAIへ!!
盆栽は、平安時代の貴族が小さな器に草木を植えて棚に置き鑑賞したのが始まりとされています。 その後、室町時代後期の華やかな東山文化の繁栄と共に発展し、江戸時代には大名から町民まで幅広くひろまりました。 特に、江戸時代には多くの大名の間で、盆栽ブームがおこり、各々盆栽鉢専門の焼き物師を抱え、盆栽の競技会が開催されるほどになりました。この頃から「盆栽」という言葉が使われ始めたと言われています。その後、現在まで数々の素晴らしい盆栽が受け継がれ、外国での愛好者も急増し、「BONSAI」が世界各国から認められた日本の芸術の一つとして発展しました。
思いやりを持ってお手入れを
盆栽を鉢の中で何十年も育てていくために、様々な手入れが必要になってきます。
その中から代表的な手入れ方法を紹介します。
・剪定〔せんてい〕
ハサミや専用の道具で枝を切る作業のことです。盆栽としての骨格を決める大切な作業で、バランスよく枝を切っていきます。
植物が生長する力をうまく利用して盆栽の形を整え、かつ盆栽の日当たりや風通しをよくして成長を助ける役目もあります。
・針金かけ
幹や枝に針金をかけて、その力を利用して樹に曲がりをつけたり、不自然な曲がりを直したりする作業です。
盆栽の姿を美しく整える為に行う作業ですが、それぞれの樹の性質と個性をつかんで、樹の良い面を引き出す事が大切です。
・植え替え
鉢の中でいっぱいになった根を切って、新しい土で植えなおす作業のことです。
鉢という限られたスペースの中で根がぎっしりとつまってしまうと、樹の成長を止め、空気や水の通りも悪くなってしまうので、定期的に植え替えをして、樹の生育を助けるために行います。