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茶道

読み方:さどう・ちゃどう
関連語:懐石

茶道のイメージ画像

茶道とは、伝統的な様式にのっとって客人に抹茶をふるまう事で、茶の湯とも言います。
茶を入れて飲む事を楽しむだけではなく、生きていく上での目的・考え方、宗教、そして茶道具や茶室に飾る美術品など、広い分野にまたがる総合芸術として発展しました。

特徴日本文化の総合芸術

茶道は、抹茶を飲み楽しむ事に様々な文化が加わって発展ました。
つまり、茶室や庭など住まいに関する空間、茶道具を選んだり鑑賞したりする工芸、そしてお茶会(茶事〔ちゃごと〕)に出てくる懐石料理や和菓子などの食、客人を気持ちよくもてなすための点前〔てまえ〕作法が融合した総合芸術です。

さらに、茶道は禅宗(※)と深く関わり「わび・さび」という精神文化を生み出しました。
「わび・さび」とは、わびしい、さびしい、という満たされない状態を認め、慎み深く行動することを言います。 茶道においては、この「わび・さび」の精神を大切にし、茶室という静かな空間で茶を点〔た〕てることに集中することで心を落ち着かせます。その事によって自分自身を見直し、精神を高めます。
また、茶道では「一期一会」という言葉があります。これは「人との出会いを一生に一度のものと思い、相手に対し最善を尽くす」という意味の言葉です。
茶道ではこれら精神にのっとってお茶をたてる事を大切にしています。

※禅宗…中国から伝わった仏教の一つ。座禅の修行で有名です。

起源・歴史禅宗との深い関わり

茶道はもともと唐(618〜 907)の時代の中国から伝わったと言われています。 茶道の精神は禅宗の考え方に基づいており、鎌倉時代、日本全国に禅宗が広まるのと共に茶道も全国的に広まりました。 そして、室町時代の華やかな東山文化のもと、茶の湯が成立しました。その後、安土・桃山時代に千利休〔せんのりきゅう〕が侘茶〔わびちゃ〕を完成させ、 これが現在の茶道の原形となりました。千利休の死後、茶道は子孫に受け継がれ、 表千家〔おもてせんけ〕、裏千家〔うらせんけ〕、武者小路千家〔むしゃのこうじせんけ〕の、いわゆる三千家の流派が生まれました。 流派としてはこの三千家を中心に多くの流派が生まれ、現在では日本国内のみならず、海外からも注目されています。

礼儀・作法・形式・心得点前の手順

茶を点てること、そしてその作法の事を点前と言います。

その手順は

(1)茶碗に抹茶を入れて釜の湯を注ぎ、茶筅〔ちゃせん〕(竹製のお茶を点てるための道具)でかき回し泡立てます。
(2)手で茶碗を取り、左の手のひらにのせ回し飲みます。茶碗には正面があり、運ばれてきたときに向けられた側が正面になります。 お茶をいただくときに、この正面を避けるため、茶碗を回して飲みます。
(3)飲んだ後を指先でぬぐい、指は懐紙〔かいし〕(茶席で、菓子を取り分けたりするのに用いるもので、たたんでふところに入れておく紙)で拭きます。

礼儀作法だけでなく、茶碗などの茶道具を始め、茶室や茶庭などの鑑賞、客人との心の交流なども大切にします。

千利休の教え

現在の茶道の原型を完成させた千利休は茶道の心得を、「四規七則〔しきしちそく〕」と説きました。

「四規」とは和敬清寂〔わけいせいじゃく〕の精神を言います。
和…お互い仲良くする事。
敬…お互い敬いあう事。
清…見た目だけでなく心の清らかさの事。
寂…どんな時にも動じない心の事。

「七則」とは、他人に接するときの以下七つ心構えです。
「茶は服のよきように点て 炭は湯の沸くように置き 冬は暖かく夏は涼しく 花は野にあるように入れ
刻限は早めに 降らずとも雨具の用意 相客に心せよ」

つまり、「心をこめる、本質を見極め、季節感を大切にし、いのちを尊び、ゆとりをもち、やわらかい心を持ち、たがいに尊重しあう」のが大切だということです。

この他に千利休の教えをはじめての人にもわかりやすく、おぼえやすいように、和歌の形にしたものを、「利休道歌〔りきゅうどうか〕」といいます。

■参考文献・ウェブサイト


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